〜このおっちゃん誰や!?〜

凱里から、施洞(赤ミャオ族の村)へ到着。
私が行った日は、たまたま週に一度の市場の日で、小さな村はにぎわっていました。

宿の身内がやっている露店に案内されて、
「夕方になったら、宿に連れて行ってあげるからそれまでウロウロしとき」
ってな感じの事を、お店のおばちゃんに言われて、荷物を預け市場をウロウロしてました。
市場では、衝撃的なものを見て、小さな村のメイン道路をウロウロしてたんです。

この村はなぁ〜んにもないけど、人々を見ているだけで面白い!

持っていてペットボトルのお茶が無くなったから、お茶を買おう。
しかし、この村にはお店らしき店舗はあるけど、食品や雑貨店がほとんどない。
やっと見つけたけど、品揃えが少なく、ペットボトルは2、3本しか置いてない。
それも何年置いてるねん!?っていうような砂埃がへばりついてし・・・
うぅ〜ん・・・ 
こまったなぁ〜
どうしようかなぁ〜??

購入しようか悩んでいた時、肩をトントンとたたかれた。
振り向くと、50才代ぐらいの鼻からむっちゃ大量の鼻毛を出したおっちゃんが立っていた。

「うわぁ〜 おっちゃんすごい鼻毛やなぁ〜」

言葉が通じないから思わず口に出してしまう。
おっちゃんは、何やらモゾモゾ話しかけてくるけど、何を言うてるのかさっぱりわからん。
私が手に持っている砂埃だらけのペットボトルのことを言うてるんかな??
「この事?」
と、ペットボトルを出すと、そうじゃないと首を振る。
私に何か言いたそうやけど、モゾモゾするだけで、何が言いたいのかさっぱりわからん。
中国の田舎の人々はおとなしく、自分から声をかけてくるような人はほとんどいてない。
特に男性はシャイ。
だから、大量の鼻毛の持ち主のおっちゃんが声をかけてくることにちょっと驚いた。
でも、いったい何を言うてるのかさっぱりわからず、
「ごめん。おっちゃん、何言うてるんかさっぱりわからんわー」
と言って、砂埃まみれのペットボトルを購入。

おっちゃんを置いてスタスタとあても無く歩いていると、おっちゃんは私の後をついてくる。
おっちゃんどうしたんやろう?よっぽど私に何か言いたいんやろうか?
振り向くとおっちゃんは、今晩の宿がどうのこうのって言うてるように思えた。
はは〜ん。おっちゃん宿の客引きか!?
「おっちゃんごめんなー。もう宿決まってるねん」
そう断ってまた歩いていると、また私の背中をトントンたたく。
振り向くと、おっちゃんは携帯電話でどこかに電話していて、その携帯を私に渡した。
電話の相手は誰や?
全く見当がつかない。
「もしもし・・・?」
ニーハオって言おうか、日本語でモシモシと言おうか一瞬悩んだけど、私に電話を渡すぐらいやねんから、
きっと相手は日本語を話せるやろうと思い日本語でモシモシと出た。
すると、相手も「モシモシ?」と言う返事。
一体誰や!?
「あー、熊です。どうですか?施洞には着きましたか?」
「えーーー!?熊さん!?そしたらこのおっちゃんは、もしかして宿の人?」
「そうですよー、無事会えたのですね」
やっとわかったぁ〜
この鼻毛のおっちゃんは今日泊まる宿のオーナーでした。

荷物を預けた親戚のおばちゃんと思ってた人は、このおっちゃんの奥さんで、
奥さんから携帯で連絡が入って、私を探しに来てくれたみたい。

小さい村といえども、市がいっぱい立ってて、人も多いのによくぞ私を見つけてくれたわ。
まぁ〜、小さい村に民族衣装を着てない外国人は私だけなんで、村人に聞いたら
「あー、あっちの方に歩いていったよ」とか教えてくれたんでしょうね。

おっちゃんと奥さんの屋台へ荷物を取りに行き、一緒に宿に行くことができました。



※ 熊さんとは、施洞を勧めてくれた凱里にある旅行会社 CITS(鯰東南中国国際旅行社) のマネージャーです。
詳しくは、凱里のページ革一のページを見てね。
 

 ミャオ族と晩御飯

旅館の3階の部屋の隣にあるベランダから見た景色。
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民家の周辺をブラブラしにいった。

ブラブラと言っても、小さな小さな村。
村のメイン道路(通路)はここだけ。

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歩き出したばかりのような子供とそのきょうだいか親戚の子供がいた。
2人とも私に興味を示し、飴ちゃんをあげたりして遊んでいた。

すると、どこかからおばあちゃんが来て、「我家においで」と、私の手を引っ張って連れて行かれた。

土間には民族衣装を着たおばちゃんたちが数人炭火の前で座ってた。

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私もその中に入れてくれ、みかんをいただく。
次々に家族や親戚たちが私に話しかけ、何を言うてるんかさっぱりわからんけど、
この環境が面白くて無意識にむっちゃ笑顔になってくる。

おばあちゃんの息子が銀細工職人らしく興味を示すと作業を見せてくれた。

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ここでは、紐のような銀を、ピンセットで楕円形にぐるぐる巻き、いくつも同じ物を作る。
それをうまく張り合わせてお花の形にるす。
お花をいくつも作り、また張り合わせてブレスレットに仕上げる。
ブレスレット一つつくるだけでもすごい時間を要する。
これだけ時間を費やしても1000円ほど。

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銀細工を作っている女性の手が小刻みに震えているのを見て、私は値切ることはせず、
1500円で指輪とセットで購入。

彼女とはとても仲良くなり、筆談で会話をしていた。
もう夕方になり帰ろうとすると、「晩御飯を我家で食べていって」と言ってくれ、
お言葉に甘えてこの家で晩御飯をいただくことにした。

子供を合わせると、40人は軽くいる。
カメラの画面におさまりきれない・・・

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この部屋では全員座れないので、別の部屋でも食卓を囲んでいる。
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ここでも座れない人がいて、別の部屋でも同じようなテーブルで食べていた。
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私も一緒にご馳走になり、料理は全てむっちゃおいしい!

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ニワトリ、豚肉もさっきしめたばかりなので、ものすごいおいしい。
さっきむごいシーンを見たばかりやのに、全く平気で食べられる自分が怖い・・・


『自然に放し飼いをしているニワトリを
その場で絞めて食べると、すごくおいしい』


と、聞いたことはあったけど、これほど味がちがうんか!って思うほど、マジでむっちゃおいしい!!
豚肉もむっちゃ分厚くて、脂身がいっぱいやのに、脂身のしつこさはなく、むっちゃあっさりしてる。
鳥肉も豚肉がどんな味なのか、『やっぱり旅はやめられない 中国編』を読んでね!

豚肉、鳥肉はゆでただけで、真っ赤な唐辛子のタレをつけて食べる。
唐辛子のタレは、むっちゃ辛いけど、なぜか病みつきになる味。
どれもこれも全部むっちゃおいしかったぁ〜

ミャオ族のみんなに囲まれ、同じ料理を一緒に食べてると、言葉なんて通じなくても
何故か意思の疎通ができて、みんなで大爆笑。

この日は、夜遅くまでみんなと笑い転げ、顔の筋肉が緩みっぱなしでした。

このときの話は、『やっぱり旅はやめられない 中国編』で書いています。
是非読んでくださいね!

 施洞の市場
施洞に降り立つと、民族衣装を着た人たちばかりですごいにぎわっていた。

宿の親戚のような女性は、
「夕方の6時までここにいるから、それまで市場を見て来たらいい」という。
荷物を預けて私はウロウロしに行った。
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ね、すごいにぎわってるでしょ〜
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川辺だけじゃなく、川沿いの村の路地にもお店がいっぱい!

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こでは、ありとあらゆる物が売られていた。
服や野菜だけではなく、こんな物を買って持って帰る人も。
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どこの国でも、こういう市場ってむっちゃ楽しくてワクワクしちゃいます♪

 施洞の人々
施洞ってすごいにぎわってる村やなぁ〜と驚いていると、
どうやらこの日は、週に一度の市場の日だったみたい。

そんな施洞の人々です。
(人々や町をより見やすいように、大きいサイズの写真でアップしますね。)

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民族衣装を着たおばあちゃんの後姿。
この服は全部おばあちゃんの手作りです。
襟、袖、後ろのエプロン(?)には、すごい細かい刺繍をしています。

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赤ちゃんは毛布に何十も包まれ、すごいきれいな刺繍をしたおんぶあて(?)で背負われていた。
この刺繍はたぶん手作りのようで同じ柄はなく、いろんな色で美しい柄を描いている人もいました。

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若い女性は髪の毛にお花をつけていました。

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ニワトリを購入した男性。
今晩の食卓に並ぶんでしょう・・・

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ほとんどの人がニワトリをこのようにして歩いていました。
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おしゃれで今風の若者、でも片手にはニワトリ。

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 施洞の子供
後ろの子供はカメラを向けると号泣し、カメラを隠すと泣き止む。
前の女の子は、怖がることは無かったけど、ちょっと緊張気味。

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小さい子供やのに、みんなお箸を上手に使って食べていた。


なんで前髪だけ、残すんやろう〜?
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この写真を中国人学生のエイメイ君に見せると、
彼の小さい頃は、このような髪型の子供が多くて、ごく普通のことなんだとか。
だから彼にしてみれば、この子供の写真を撮ることが日本人的でおもしろいって言うてました。

 施洞の移動手段
中国の田舎では個人所有の車はほとんど走ってません。
走っていてもトラクターのようなトラック。

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では、どうやってみんな移動しているのかというと、歩きが基本ですがバスが走っている道では、来たバスに乗ります。
でも、山奥に行くとバスは頻繁に来ません。
そういう時は、トラックを持っている人に乗せてもらっていました。
私もトラックの荷台に乗って移動したけど、無料ではなくみんな運賃を払ってました。

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トラックの荷台はこんなん。
足の踏み場がありません。
みんなは乗りなれているのか、普通に乗ってましたが、道はガタガタで左右上下に激しく揺れて、必死にふんばってトラックにしがみついてないと荷台から飛ばされちゃいます。
ジェットコースターよりスリリング。
道によっては標高が高いむっちゃ細いガタガタの山道で、転落したら深い谷にまっ逆さま。
私は必死に踏ん張りしがみついてました。

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5人乗りバイクも普通です。
父親と子供の真ん中に赤ちゃんがいるの分かるかな?
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 施洞の屋台&歯医者
施洞の村は、食べる所はありません。
日用品の小さな雑貨屋はあるけど、商品は砂埃で白くなっていて、何年置いてるねん!?
っていうようなものばかり。

私が行った日はたまたま市場だったので、うどんのような麺を食べさせてくれる屋台が出てました。


それと、この屋台。
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水溶き小麦粉を丸の枠に入れて、黒糖のようなものを中に入れ油で揚げるお菓子(?)
1つ5角(7円)
残念ながら、「おいしい!」っていう物ではなかった・・・
もう一つ食べたいとも思わなかった・・・ 


施洞の路地を歩いていると歯医者を見つけました。
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単なる虫歯でも歯を抜かれそう・・・
 施洞で見た修理やさん
施洞の村で、古い手動の機械で破れた靴を縫ってる革の修理屋さんがありました。
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最初、何してるんやろう〜?って覗いててみると、
靴の外側が10cm以上、ナイフでスパッと切ったように破れていて、
おっちゃんがこの機械(ミシン)で切れている部分をギザギザに縫ってました。

もし、これが日本だったら、10cm以上も破れたらほとんどの人が捨てるでしょうね。
それに、縫って修理してくれるお店もないし、もしお店が見つかって持って行っても、
「これは無理ですねー 修理するより、新しいの買ったほうがいですよ」
って言われるでしょうね。

他の村でも、同じようなお店があって、女性が持っていた合成皮革のカバンの破れた部分を
修理してもらってました。

中国の田舎ではまだ貧しいからか、物を大切に使ってました。
私たちも見習わなくちゃね!

修理中の靴の持ち主は、隣で作業を見つめていました。
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私が作業を見ていると、お店のおっちゃんは、私の靴を見て
「おまえも靴修理するか?」と言われました。
「残念ながら私の靴は破れてないねん〜」
修理代はいくらなんでしょうね。
きっと1元か2元くらいかもね。

しかし、どういうことをしたら靴が10cm以上もスパッと破れるんやろう?
 【中国旅行記】 〜生と死〜

心臓の弱い人は見ないで下さい。
後で気持ち悪くなっても責任は取りません。



施洞の市場で衝撃的なものを見た・・・

鶏屋さん。
鶏肉屋ではなく、その場でしめて羽をむしり・・・・
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でもそれは日常の出来事。
普段、私たちが目にしない場所で行われていること。
しかし、中国の山奥の村では、隠れた場所にあるわけでもなく、
みんなの目の前で行われていた。

いつかそのような現場に遭遇するだろうとは思っていたけど、私は避けていた。
今までだったら雰囲気を察知し逃げていた。
でも、今回の旅では、逃げずにしっかり見てこようって心に決めていた。

さっきまできれいな毛をフサフサさせていたニワトリやアヒルたちが、
血に染まった姿は目を覆いたくなる・・・
でも、見なくては・・・
必死に自分に言い聞かせ、血なまぐさい臭いに包まれながら、私はいくつもの命の終わりを見届けた。


ショックを受け、川辺の市場を見ていると、足元に何か落ちていた。
ん? なんや??
よく見ると、子猫だった。
人通りが激しいところに子猫が迷い込んでしまったのか、みんなに踏まれて命を落としていた。
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子猫は顔が変形しているが、血もでておらず、体もまだふくらみがあるから顔面を踏まれたんだろう・・・

村人は、子猫の死体など目もくれない。

ここでは、動物の死はごく普通の出来事なのだろう。
  



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